2009年11月29日日曜日

サンタクロースと想像力

うちの上の娘は7歳で、まだかろうじてサンタクロースを信じているようなようす。下の子供はまだ1歳半なので、サンタクロースという設定自体に理解が及んでいない(と思う)。

そのうちいつか、サンタクロースという実体は存在しなくて、大人の設定の産物だ、という認識に至るのだろうけれど、この設定は悪いものではないと思う。

木枯らしが吹き、木から葉が落ち、日が短くなり、寒さが増していくこの時期に、実在しないものに思いを馳せ「想像」を働かせて、そこはかとなく暖かみのある夢を想う。周囲が物寂しくなっていくこの時期だからこそ、事物に依存しない暖かみを設定する。環境と気候に対して、心ある人間の生活を律していこうとする試みは、悪くない。

概して言えば「宗教」も同じ仕組みを持っているのだろう。実在しないものによって、実在する日々の生活を律していこうとする試みとして。思いが高じて、想像によって生み出されたアイコンの違いを比べたり、違うアイコンを排他したりして、争いになったりするのもまた、人間の業なのだろうか。

サンタクロースの仕組みが素敵なのは、寒い季節を我慢して太陽の運行が折り返し点になった日に、それまで想像の産物だったサンタのかけらが事物となって、想像してきた子供の手元に届けられるところ。

大人にも、サンタクロースが必要ではないか。
想像によって日々を律すること、とか、実在しないことを想像して楽しむ時間、とか、想像の小さなかけらが宝物として手元に届けられる不思議、とか。

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Ben Matsuno さんのコメント...
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