2007年10月21日日曜日

もののあはれ

「もののあはれ」って何だろう?と、
10年以上、考え続けてきた。
きっかけは友人のH氏との対話だった。

ここに来て
ようやく理解の兆しが見えてきた。


「もののあはれ」とは、
一回性と普遍性が接続するとき
一回性が普遍性と交錯するとき
一回性の中に普遍性を見いだしてしまったときに
立ち現れる、感情の溢れ、のこと。



「嗚呼……」
と言っている瞬間に私たちは
二度と体験でいないであろう個別の体験の中に
これまでに他者が体験してきたであろうという膨大な体験性を想起し
呆然と立ちつくしている。


そう言えば建築も
個別条件の一回性と、科学的再現性普遍性の交差点に生起する営みなのだ。