○ひらめきの構造
1.知の蓄積
・情報収集:与件・法規的制約・技術的可能性と制約・クライアントの意図など、:外的要因
・広範な視野で、
・すでにあること
・まだなされていないこと を知る。(事例・歴史・技術・素材・構造・……)
・関連する体験をする:空間体験、いいものを見る:美術
・下地作り:検証プロセスにも生かせる創造の下地
・なぜ若い天才が現れるのか、クリエイターは若いものが多いのか
<意識・経験2倍の法則>
2.情報整理
・データ(知識のフラグメント)の情報(価値)化を行う
・階層化、関連づけ :演繹法:論理的積み上げ
・強弱(ポイントの発見)など :帰納法:観察・分析
3.フロー状態
・制約・常識にとらわれない脳の状態
・脳の変性状態(altered states)
<自分のこだわりから離れる、自分を客観視する、自分の殻を取り去る
そのための環境作り・もしくは自分がそこに行くこと
・「組織された混沌=オクシモロニックな環境」江崎玲於奈
・逍遙学派(アリストテレスが創設した古代ギリシャの哲学者グループ):歩き慣れた道を歩きながら発想する
歩くこと:歩き慣れた道(環境に対する無意識化が働く)+予測不可能なイベントとの出会い、景色(環境)のゆるやかな変化が意識下に働きかける
4.ジャンプ・跳躍・飛躍(狭義のひらめき)
・常識にとらわれない大胆な仮説設定
・論理的横断、異分野の接合、何らかの欠如(何かをなくすこと)分野横断的発想(Trans-disciplinary Approach)
・「『ああそうか』とひらめいた時には、脳の中のさまざまな部位の神経細胞が、0.1秒ほどの短い時間、いっせいに活動することを示唆する実験がある。」このとき、脳内で横断的接続が行われている
・セレンディピティを捕まえろ!!<問題意識が偶然のひらめきを捕まえる<現状への違和感
5.定着させる
・ひらめいただけでは創造に結びつかない
・有用性にフォーカス・収れんしなければならない。
・なにが、これまでと違うのか、違いと意義の検証
・養老孟司(解剖学者)「感覚とは何か。世界の違いをとらえるものだ。」<評価・検証プロセス
・収集、蓄積された知識による検証:共感>同調>統合
・対外的な与件に合致するか、法規・予算(制約の検証)
・クライアントに受け入れられるか(対人的検証)
・性能を発揮することができるか(技術的検証)
・物理的に作ることができるのか(工法的検証)
○ポイント
・問題意識が、創造性の駆動力となる。
・違和感ー共感、という相反する感性が創造には欠かせない。
◯仮説
・創造性とは、生命の動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)におけるバグ=ミスである。
・ミス=本来(平衡状態)では異なる属性にあるものをつないでしまう動き
・「○○と天才は紙一重」
・「秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない」(福岡伸一「生物と無生物のあいだ」)
・平衡状態>ミス・バグ>逸脱・離脱 >共感・協調 >統合・回収>平衡状態
>排除 >消滅
・一瞬のひらめきを捕まえるのは、準備された心・精神、すなわち問題意識:違和感である。
・捕まえたひらめきを有用性に結びつけるのは、深い共感感覚である。
・ミス、バグは、ある限られた人(天才・感性のある人)だけの特殊な能力だと思われてきた。しかし
・意図的にミスを起こしたり、ミスの振るまいを整流したり、バグの結果現れるひらめきを捕まえ有用化・定着する、動的環境を用意することはできるのではないか。
・そのような環境は、外因的に用意されるのではなく、意識することで環境を自ら引き寄せることができるのではないか。
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