2010年1月25日月曜日

「かっこいい」ということ

かっこいい、スタイリッシュ、イケている、の理論化をしようと考えている。理論化、というと少し大げさな感じもするけれど、よくよく考えてみたいのです。

建築を考え、見て、「かっこいい」と感じることがあったとして、これまではそれがうまく言葉に乗らなかった。別の表現、「スタイリッシュ」だったり「イケている」、「シュッとしていていいねー」「この、ズバっというところがいい」と言ってみても同じで、言葉の世界・意味の世界の人には伝わらなかったりする。

一方で、言語化されていなかった感覚を理論化=言語化すると、再び、言葉の世界で勝負しなければならないことになる。別の言い方をすれば、これまで右脳で感じ取っていた要素が再び左脳化されるのだけど、それを承知で、言語の世界の人に、意味の世界の人にも、「かっこいい」ことの価値を伝えることを目指してみたい。

いま感触としてつかんでいるのは、下記。
「かっこいい」という感覚は、現実の事物に対して、少しだけふわっと浮き立つような感覚、もしくは少しだけ緩んでカームダウン、リラックスするような感覚。意味を書き連ねる新聞や実用書に対する、詩・小説のようなもの。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

高校生のときにS/Nを何かの紙面で見て、
強く感動をし、今は構造と共にすごしながら、
その後知って観に行ったいくつかの歴史的建築と共にS/Nは自分にとって(俗な言い方になってしまうのでいやなのですが、)「良いたてもの」の指標としてあります。

僕は「かっこいい」もののことを、「ひざがガクガクしてきてひざまづきたくなるもの」と言い変えます。
権威による圧力によるのではなくて、魂が惹きつけられて脱力してしまう感覚のような気がします。

どうもそういう時は建築の外形やある一点ではなく、視界に入る全てに魅せられている気がします。サッシ、目地、ドアノブ、建具の隅のアールなどにです。



「かっこいい」ということがどういうことか、非常に関心のあるところです。是非何か進展がありましたら、読ませていただけることを楽しみにしております。
突然の書き込み失礼いたしました。


早稲田大学
多田脩二構造設計事務所
今江 諒
iemoti88@gmail.com

Ben Matsuno さんのコメント...

多田君のところにいるのですね、多田君とは何度か飲んだことがあります。元気かな?

「ひざがガクガクして…」すごくかっこいい、ということだね。僕もそれに近い感覚を催したことがあって、それは、ミースのバルセロナパヴィリオンを見たときでした。ひざはがくがくしなかったけど(笑)、心の底からふつふつと笑いがこみ上げてくる、というか、歓びがこみ上げてくる感じ。

そういう、放っておくと言葉にしてきちんと説明しない(できない)ような感覚を、きちんと長い文章で考えてみたい、ということです。

君の意見も、また、聞かせてください。